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「未経験」の被写体 [○信越本線]

 長野はすぐ北が雪国。善光寺平の北半分で、気温が低くて根雪になる湖北というイメージなので、十分雪国です。
 黒姫より北なら2メートル以上の世界。
 雪壁が高すぎて、撮影に支障が出始めるレベル。
 そんなところなので、毎日ではありませんが、比較的頻繁にラッセルが動きます。
 もっとも、この状況も今シーズンまで、ですね。
 
 これほど走るというのは、ただただ、関西の人間にはびっくりというところ。びっくりというより、呆然の方が近いか。
 ともかく、そのせいで撮っていて充足感がたりない。それは被写体として好きでないとかそういうのではないです。
 国鉄色の車体に「動き」をこれほど与える被写体はない、と直感しています。ですが、何か及ばない、及ばない。Mくんに助けられ、なんとか、なんとか・・・。
 


2015.2.14 信越本線 妙高高原-黒姫(敷地外より撮影)

 何が言いたいかというと、自分の頭で、自分の意志で、撮っている感じが現段階では全くない、ということです。
 このような経験は初めてと言っていい印象で、だから久方ぶりに筆をとりました。
 いろいろ考えていて、その理由はこんな感じなのかなあと、雑感ですが。

 ①雪レ活躍のイメージがない 目にしたことがなかった
 関西では雪レは全く身近でありません。夜間に福井方面や但馬のものが多少動く程度。木次線はどんなに頑張っても4時間以上かかります。
 だから、こちらに来るまで撮影経験ゼロ。走行もみたことがありませんでした。 
 DE15とかDD15は敦賀駅や豊岡駅に留置されているのを見ていましたが、動いているところを見たことはありません。自然と、「撮れるものではない」という感覚すらあって、それが結構撮影時に邪魔になる。
 そんなこんなで、未だにどう撮ればいいのか、いまひとつわからない状態。
 どういうところが見せ場なのか、どういう撮影地を選んでどのようにアングルを切ればいいのか。
 ともかく、イメージがわかないのです。何気なく見ているシーンから「こういう部分がいい」とか見えてきて、そこからプランを考えておいて、狙い撃ちするのが普通通り。そのようなサイクルが見えてくると、時間を無駄にせず、思い通りのカットが量産できるし、事前の期待を裏切らない形になるので満足感も非常に強い。
 でも、突如目の前に現れた雪レというもの、撮影しながら、こういう部分を強調して撮ればいいのかな・・・とあたふた追っかけている感じで、なんかもう、充足感があまり高くないのです。
 「これだ」と思っているイメージをまだ持ててないので、とりあえず諸先輩方と同じような撮り方しておくか・・・という状態。
 まだたくさん思い通りの写真を生み出す状態にはないです。そこが何とももどかしい、というより、自分にもともとイメージの核になるものがないので、一瞬やる気がなくなる(老いたのか・・・)。
 そのような状態で山線ラストとなるのは、ちとつらいところです。比較的近いところに残り、そこそこ走るラッセルは大糸北線ぐらいになります。でも、ほぼ深夜の運転である上、信越と比べるとあまり走らないです。


2015.2.1 信越本線 黒姫駅


 こんなシーンを日々目にしていたりとか、こんな姿で目の前を回送していったりしてたりとかが日常だったりしたら、撮影のイメージがすぐ湧いてくるような気がするのです。ちょっと諸先輩方の写真を見るだけで。雪のつき方、飛ばし方、風向き、・・・きっとなにかがあるはずなのですが、老いた私には吸収が遅すぎる。
 

 ②夜間撮影経験があまりない
 夜間の走行が主体になっているので、そういうシーンでは雪あかりで多少明るいとはいえ夜間撮影のノウハウも必須です。幸い装備面(高感度機と高性能レンズ)でのハンデはこちらに赴任してから解消しましたが、流し撮りでちゃんとヤツを追尾しないといけないという難しさが待っています。
 しかし、これまで装備が追い付かないことを理由に全く撮ってなかったので、独特の撮影前の確認項目が頭にどうも入っていません。それゆえのミスも結構あります。
 マニュアルでSS、f値設定でマニュアルフォーカス固定、とか、ファインダー内だけで判断せず、撮影モードが2秒セルフタイマーのままになっていないか確認、とか。他に真っ暗なところなら手元のライト点灯してフォーカス合わせるとか、未知の経験です。なかなか定着しません。M君に助けられて、なんとかなんとか。
 安全配慮を大前提として行動する必要もあります。暗いので、地形分かっていないところに入っていくと溝にはまったり、なんてありえそうです。そうなったら誰も助けてくれません。 


2014.2.15 信越本線 妙高高原-関山
(ちょっと甘い?ですが・・・)


 そして、走行時間帯が深夜、未明です。未明のスジなら自宅を1時半出発、とか。肉体的に恐ろしくキツイです。そこの対処も開発する必要がありそうですが、私はあまり頻繁にはできなさそう・・・。

 
 音はDE15に限って言うとほとんど無音です。どこか高揚感に欠ける反面、空気が95%とされる雪、つまり雲のようなものを切り分けて、纏って、登場するような神秘性をどのように表現するか、視覚的にどう見せるか、考えさせられる被写体です。
 この被写体には、明らかに目に見えてわかる「動き」があるのです。大きな雪煙とかき寄せる雪。これこそがほかの車両と明らかに違いの要因であり、これまでの経験がほとんど通用しないゆえんだと思ってきています。


2015.2.14 信越本線 関山-妙高高原

 広田尚孝氏が10年前にRMで連載されていた、「30年目のカウントダウン」で出されていた、宗谷のC55のイメージを持てばいいのかもしれない、と先日はふと思いました。
 雪にまみれた、スポーク動輪のアップ撮り。雪煙とともに、目の前を走り抜けていく姿を正面撮りフレームアウトで撮影した写真。
 動きを見せるには、可動部を大きく見せつつ、部分撮りに徹するのが一つの方法なのではないか・・・。

 そういうわけで、先週は積極的にそういう写真も撮ってみまして、この記事はそういう写真でまとめました。いかがでしょうか・・・。



 もうひと押し、頑張りたいところですが、もう冬は終わるかも。今日なんか、そんな感じでした。


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