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特別付録 和歌山線上り貨物 吉野口出発 牽引C58193号機 [○和歌山線]

 大阪東南部に住んでいた筆者にとって最も身近な蒸気は、関西線、和歌山線のそれで、自宅から1時間程度で彼らに会いに行くことができた。
 1972年3月13日は月曜日で当時中学生だった筆者が何故その日 丸一日撮影に行くことができたか思い出せないが、その前日3月12日にはC576号機けん引による和歌山線のさよなら運転が湊町⇔和歌山で実施されている。筆者はこの日、朝からC57旅客、五条のC11、北宇智のC58貨物と順に撮影を行い、最後にこの上り貨物の出発を見送ることとなった。さよなら運転の翌日であっても普段通りの運行で誰一人いないあぜ道に立っての撮影であった。

 C58193号機は見た目は決して美しいとは言えない状態であったが、この時ボイラ、足回りは見事に夕日に輝き、美しい白煙を吐きながらD51とは異なるC58の軽いドラフト音とともに走り去っていった姿は今も私の脳裏から消えない。それは私にとって和歌山線における蒸気の最後の姿であり、2日後の3月15日には和歌山線はむろん、近畿地方の多くの路線から蒸気機関車が姿を消した。

 C58193号機は1939年汽車会社大阪で落成。奈良区新製配置後、竜華→姫路第一→竜華と異動し1972年5月11日に廃車。33年の生涯のうち約20年を竜華で過ごし、竜華機関区最終在籍蒸気の1両となった。今、本稿を書きながら和歌山線の105系の生涯が35年、C58193のそれが33年、双方の命が偶然かなさなるようにも思え感慨にしばし耽るほかなかった。


1972年3月13日 吉野口 撮影 とも


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