荷坂峠の紅葉 [紀勢]
しかし、荷坂峠界隈は比較的昔のままの森が残っていて、紅葉を見ることができます。
とはいえ、紅葉というのはきれいなものを見るのはとても難しい。特に南国である紀州、きれいに色づく条件がなかなかそろわないらしく、何度行っても茶色っぽい色しか見れなかったのでした。
しかし、この年は違いました。珍しく比較的きれいに紅葉した木を見つけることができ、貨物を別の場所で撮った後、3連を撮影しました。
2012.11.25 紀勢本線 梅ケ谷-紀伊長島
このカット、同時銀塩で撮ったカットの方がきれいに発色しているのです。デジではどうしてもこの程度が限界。銀塩の威力は健在であると思ったものでした。
今年の5月に行ったきりな紀勢線。もう少し撮っておきたい場所がある。だからまだ行きたい。結構行ったはずなんだけど。
どこでもですが、そんなことばっかりです。
柿の木 [○信越本線]
あの濃くて明るい朱色は冬支度の田園で、よく目立つ。
うちの隣の家にはたくさん柿の木がなっていて(渋柿らしいんですが)、ホンキでちょっともらいたいなと思うぐらい、柿は好きなんです。干し柿も好き。
父方の祖父母の家には柿の木があって、小さいころよく食べていました。
紙袋いっぱいに山盛りになった柿の実。
もちろん、市販ものみたいにあまくはなくて、独特な硬さと渋味というか、そういったものがあることはあるんですが、これがまた・・・。
線路際にあるのを見ると、稲刈り後の今一つポイントのない風景の中でパっと映えるものですから、写したくなります。もちろん、個人的思い入れもアリ。
もっとも・・・現場にいた時の感覚からすると意外なのですが、写真に写すと目立たないのですよねえ、これが。
風景的に写真撮る上では、これほど難しい画題はないというぐらい難しいものでもあります。
ですから、極力大きく映しこむのがポイント、とよく言われています。
長野に来てから毎月のように通っている片貝。なだらかな斜面に広がる農村風景に見事なまでの銀嶺。ここまでの撮影地があるか!というような場所ですが、昨年は定番地から振り返るとひときわ目立つ場所に柿がたくさん残っていました。
定番のストレートで撮った後、小走りであと打ちをパチリ。
今年も期待していたのですが、今年はまったくと言っていいほど実が残っていません・・・。風で落ちたのか、今年はちゃんと収穫されたのか。
この柿ノ木の写真はこの1枚だけ。枝ぶりが見事でお気に入りなのですが、ポールの位置が多少気になっていたので、もう少し「ほかに手がないか」考えてみたかったのです。
こつこつと記録することの大切さを思いました。
2013.12.5 信越本線 関山ー二本木
カラマツ [北海道]
カラマツは冬の使者。
紅葉が終わって、雪が降る前に、「黄葉」する。
とはいっても、日中に撮るとややもすると暗い茶色に写ってしまうことがあり、少し撮り方に配慮を要するもの。
一番よく知られているのは、朝陽や夕陽を受けると、燃え上がるかのような色を示すことでしょうか。
でも、曇りでもいいのかも。
その姿は、冬の暗い空と相まって、あまりにも不気味に感じるけれど、厳しい気候に耐える者だけが知っているであろう、生命の火のような色を感じることも、私にはままある・・・。
2009.11.1 石北本線 生野-生田原
もっとも、黄色くなり始めの時は、もっと明るい感じもするのですが。
不思議な感じのする木です。新緑は思ったよりきれいではないのですが、晩秋の姿がとても惹かれます。
北海道のイメージが強い木ですが、内地でも寒冷地では植林している場合があり、信州ではあちらこちらで見ることができます。線路のあるところだと小海線の信濃川上にある植林帯が高名でしょうか。他に信越山線、今はしなの鉄道になった信濃追分界隈、中央東線だと信濃境、西線だと鳥居峠などなどにぽつりぽつりと・・・。
ほかに、吾妻線に向かう県境の峠の長野側は一面カラマツが植えられており、帰り道に夕日を受ける光景は感動ものです。
もっとも・・・本場は北海道かな??丘を越えて、果てしなく続いている光景は圧巻です。
初雪の日の「白滝」 [北海道]
決して広くない谷筋に沿って、静かに道東の田舎の光景が展開されているところだった。
そんな風景にしずしずと、雪が降り積もる。あたり一面、真っ白。
そこにたたずむ停留所あがりの駅なんて、見ているだけでうっとりするような、そんな光景だった。
この先何を撮るか・・・悩んでいた当時、色々な示唆を得たのを思い出す。
足元に注意しつつ、件の場所へ。足場は、悪かった。この条件だから当然だろうか。
構図をあれこれ考えていたら、団臨のキハ400系3連が通過していった。多少暗い赤色は、どこか北の国の色。
雪は本降り。テールライトを残して、過ぎ去っていった。
2009.11.1 石北本線 旧白滝-下白滝
ぽつり [北海道]
渡道した2日目は初雪。銀世界。遠軽駅にはキハが2本待機中で、さらにオホーツクが入線するところでした。改札前には20人ぐらいの人が列をなしていました。
雪の中、ぽつりとたたずむ転車台。30年以上前、この一帯は蒸機最後の活躍が見られた地域の一つ。ぱっと見た感じ、これがその時代のことを伝える唯一と言っていいものでした。
転車台の周りには、ずらりと機関車の待機線や庫があったようですが、いまではとてもとてもそんなこと考えられないぐらい。さびしい駅裏でした。
2009.11.1 遠軽駅